包る者 (身を潜める者) 📖 アル=ムッダッスィル【第74章】クルアーン~今の秩序が変化し来世の時代が到来

包る者 (身を潜める者) 📖 アル=ムッダッスィル【第74章】クルアーン~今の秩序が変化し来世の時代が到来
【コーラン】アラビア語☪日本語☪英語☪解釈☪音声 【コーラン】アラビア語☪日本語☪英語☪解釈☪音声

アル=ムッダッスィル(アラビア語: ٱلْمُدّثِّر, al-muddaththir、「外套を着た者」または「外套を着た男」の意)は、クルアーン第74章で、56節から成る。第一節にある言葉にちなんで名づけられた章である。預言者がまたしても突然に天使を見たとき、彼は自分の衣で身を包んだ。本章を通して預言者は、逃げ隠れせずにイスラームの宣教を開始するよう命じられた。

 

74. THE ENROBED (al-Muddathir)

スポンサーリンク

ٱلْمُدَّثِّر【アラビア語】

アラビア語アル=ムッダッスィル ☟
アラビア語アル=ムッダッスィル
 

包る者 (身を潜める者) アル=ムッダッスィル 朗読音声

 

スポンサーリンク

包る者 (身を潜める者) アル=ムッダッスィル【日本語訳】

包る者(身を潜める者)アル=ムッダッスィル日本語

 

慈悲あまねく、慈悲深いアッラーの御名において。
1 (衣に) 身を潜める者よ、

2 立ち上がり、警告しなさい

3 あなたの主を讃えなさい。

4 あなたの衣を清浄にしなさい。

5 汚れを避けなさい。

6 より多く (の見返り) を期待して与えてはならない。

7 あなたの主のためによく耐えていなさい。

8 喇叭が吹き鳴らされるとき、

9 その日こそ、苦難の日

10 (真理を) 拒む者には、何の安楽もない。

11 われが創造した者については、ただわれにだけ任せなさい。

12 われがゆたかに財をもたらし、

13 その身の回りに子どもたちをおいて、

14 (万事を) とどこおりなく順調にしてやった。

15 それでも、われにさらなるものを欲しがった。

16 断じて、それはならない。その者はわれらのしるしに、頑迷な態度をとり続けた。

17 われは、ひどく骨の折れる苦役に服させてやろう。

18 その者は思案し、策を練った。

19 どのように策を練ろうと、破滅する

20 そうとも。どのように案を練ろうと、破滅する。

21 そののち、(再び) 目を向け、

22 眉をひそめ、顔をしかめ、

23 背中を向け、高慢にふるまい、

24 こう言った。「これは (昔からよくある) 魔術のまねごとに過ぎない。

25 これは、ただの人間の言葉に過ぎない」。

26 遠からず、われがサカルで焼こう。

27 サカルとは何であるかを、あなたがたに分からせるのは何か。

28 それは何ひとつ残さず、誰ひとり逃さず、

29 生身を焼き焦がすもの。

30 十九 (名の護衛の天使たち) が、その上にいる。

31 われらが火炎の護衛にするのは、ただ天使だけ。またその数をこうしたのは、ただ (真理を) 拒む者を試みるため。(これにより) 啓典を与えられている者に確信させ、また信じる者にその信仰を深めさせるため。啓典を与えられている者や信仰者が、もはや何の疑いも抱くことのないようにするため。心の中にやまいのある者たちや、(真理を) 拒む者に、「このたとえ話で、アッラーは何を伝えようとしているのか」と言わせるため。このようにアッラーは、誰であれ御心のままに迷わせ、また誰であれ御心のままに導く。あなたの主の軍勢のことを知るのも、ただこの御方だけ、これは、人間への戒めに他ならない

32 いいや、月にかけて

33 去ってゆく夜にかけて

34 明けはじめる朝にかけて。

35 本当にそれは、偉大なるもののひとつ。

36 それは人間への警告、

37 あなたがたのうち、前に進もうとする者であれ、あるいは後に残ろうとする者であれ。

38 各々は、それぞれが得てきたことの虜囚、

39 右側の仲間たちを除いて、

40 (彼らは) 楽園の中で、互いに尋ね合うだろう。

41 罪を犯した者について (言うだろう)

42 「何があなたがたを、サカルに連れ込んだのか」。

43 彼らは言うだろう。「私たちは礼拝をしなかった。

44 貧しい者を養うこともしなかった。

45 無駄話に興じる者と共に無駄話に興じ、

46 裁きの日のことを、嘘よばわりし続けた

47 そうして、ついに死が私たちに到来した」。

48 とりなす者のとりなしも、彼らの役には立たないだろう

49 彼らは、どうして戒めから背き去ったのか、

50 ろばが恐れおののいて、

51 獅子から逃げていくかのように。

52 いいや。むしろ彼らは、それぞれ (自分だけの) 書巻が (自分だけのの目の前に) 開かれることを欲する。

53 断じて、そうではない。いいや、彼らは来世を恐れていない。

54 断じて、そうではない。本当に、これはひとつの戒め。

55 それゆえ、誰であれ望む者はそれを憶えておきなさい。

56 しかし、アッラーの御心にかなう者の他は、憶えておこうとはしないだろう。畏れるにもっともふさわしい御方、赦しを願うにもっともふさわしい御方。

 

包る者 (身を潜める者) アル=ムッダッスィルの解説と解釈

包る者(身を潜める者)アル=ムッダッスィルの解説と解釈
 

☪︎ 立ち上がり、警告しなさい

預言者の本来の使命は、人々に警告を与えること。すなわち、来世で起こる出来事の本質について知らせること。 このような任務は、神の威光を心に抱いている者でなければ遂行できない。

それは、高貴な人格を持ち、いかなる悪にも手を染めることなく、見返りを求めず善を行い 、寛容であり、他人が引き起こした問題に直面しても忍耐強く対処できる人。

☪︎ その日こそ、苦難の日

自分が恵まれた境遇にあり、大勢の仲間に囲まれている者は、自信過剰になりやすい。現世で裕福なのだから、来世でもうまくいくだろうと。

しかし、最後の審判の日がやってくると、状況は一変する。現世では何不自由ない境遇にいた者が、来世では乗り越えがたい困難に巻き込まれることになる。

☪︎ どのように策を練ろうと、破滅する

真理を受け入れられない最大の要因は、人間のエゴイズムやプライドである。

社会的に高い地位にある人々が真理を受け入れないのは、真理を受け入れることによって自分の地位と名声が下がってしまうという単純な理由からだ。

自分たちの拒絶反応をごまかすために、真理の伝道者の語る言葉に欠点を見つけようとする。そして、真理を説く者に疑いをかけ、貶めようとする。

☪︎ 去ってゆく夜にかけて

地球は自転し、月は地球の周りを公転している。このため、月の日付は変わり、昼と夜が地球上では交互にやってくる。

この自転と変化のシステムは、やがて今の秩序が必ず変化し、来世の時代が確実に到来することを意味している。

このことを考慮する人は、「夜」が到来する前に、「昼」を有効に使おうとするだろう。同様に、地獄に落ちる可能性のある行動はすべて避け、その代わりに楽園に導くような行動を好むだろう。

☪︎ とりなす者のとりなしも、彼らの役には立たないだろう

十分に裏付けられていて、どんなに理にかなった助言であっても、聞き手が真剣にそれに向き合っているときでないと、その助言は意味をなさない。

聞き手が真剣でないならば、その助言は心に届かないからだ。真剣な心を持つ人を深く動かすような言い分も、薄っぺらな人にとっては何の意味もない口論を引き起こすだけである。

 
 

『イスラムとは何か』本をチェック⇒


 
 

THE ENROBED (al-Muddathir)【英語訳】

クルアーン英語アル=ムッダッスィル
 

英語アル=ムッダッスィル ☟
In the name of God the Gracious, the Merciful.
1 O you Enrobed one.

2 Arise and warn.

3 And magnify your Lord.

4 And purify your clothes.

5 And abandon abominations.

6 And show no favor seeking gain.

7 And be constant for your Lord.

8 When the Trumpet is blown.

9 That Day will be a difficult day.

10 For the disbelievers – not easy.

11 Leave Me to him whom I created alone.

12 And gave him vast wealth.

13 And children as witnesses.

14 And smoothed things for him.

15 Then he wants Me to add yet more!

16 By no means! He was stubborn towards Our revelations.

17 I will exhaust him increasingly.

18 He thought and analyzed.

19 May he perish, how he analyzed.

20 Again: may he perish, how he analyzed.

21 Then he looked.

22 Then he frowned and whined.

23 Then he turned back and was proud.

24 And said, “This is nothing but magic from the past.

25 This is nothing but the word of a mortal.”

26 I will roast him in Saqar.

27 But what will explain to you what Saqar is?

28 It neither leaves, nor spares.

29 It scorches the flesh.

30 Over it are Nineteen.

31 We have appointed only angels to be wardens of the Fire, and caused their number to be a stumbling block for those who disbelieve; so that those given the Scripture may attain certainty; and those who believe may increase in faith; and those given the Scripture and the believers may not doubt; and those in whose hearts is sickness and the unbelievers may say, “What did God intend by this parable?” Thus God leads astray whom He wills, and guides whom He wills. None knows the soldiers of your Lord except He. This is nothing but a reminder for the mortals.

32 Nay! By the moon.

33 And the night as it retreats.

34 And the morning as it lights up.

35 It is one of the greatest.

36 A warning to the mortals.

37 To whomever among you wishes to advance, or regress.

38 Every soul is hostage to what it has earned.

39 Except for those on the Right.

40 In Gardens, inquiring.

41 About the guilty.

42 “What drove you into Saqar?”

43 They will say, “We were not of those who prayed.

44 Nor did we feed the destitute.

45 And we used to indulge with those who indulge.

46 And we used to deny the Day of Judgment.

47 Until the Inevitable came upon us.”

48 But the intercession of intercessors will not help them.

49 Why are they turning away from the Reminder?

50 As though they were panicked donkeys,

51 Fleeing from a lion?

52 Yet every one of them desires to be given scrolls unrolled.

53 No indeed! But they do not fear the Hereafter.

54 Nevertheless, it is a reminder.

55 So whoever wills, shall remember it.

56 But they will not remember, unless God wills. He is the Source of Righteousness, and the Source of Forgiveness.

 

関連記事衣を纏う者 (包まる者) 📖 アル=ムッザンミル【第73章】クルアーン~夜は静寂の中で神を見出す
関連記事復活 📖 アル=キヤーマ【第75章】クルアーン~人は罪を償わなければならない

 

参考図書: