ルナノードってそもそも何なの?
惑星でもないのにどうして占星術で重要なのかな?
そんな疑問をお持ちでしょうか。このページでは、自分をよく知るため、自分の人生の方向性を考えるためにもルナノード(月のノード)についてよく理解していきましょう。
ルナ・ノードとは?
伝統的な占星術では、ウラヌス(天王星)、ネプチューン(海王星)、プルートー(冥王星)といった新惑星は、数世紀前には知られていなかったので、使われていませんでした。ところが、ルナ・ノードは、どの伝統の占星術チャートでも、常に重要な要素となっていました。
アラビアやヨーロッパの占星術師たちは、それらをドラゴンヘッド(竜頭)とドラゴンテイル(竜尾)と呼び、ヴェーダ占星術では「ラーフ」と「ケトゥ」という影の惑星として、実際の惑星に近い重要性を持っているのです。では、なぜこのような天体上の架空のポイントが重要視されたのでしょう?
ルナ・ノードは、月の軌道が黄道と交差する点、つまり太陽の軌道と交差する点のこと。[参照:wikipedia] まさに、太陽と月という2つの宇宙原理をつなぎ結びつける結節点のようなもの。何千年も前にわたしたちの祖先は、日食と月食が空のどこでも起こるのではなく、特定の場所で起こり、その場所は固定されておらず、空を横切って漂い続けていることに気づいたのです。先人たちの神話的想像力は、日食の時に光を飲み込む天竜を思い描きました。興味深いことに、ヨーロッパとヒンズー教の伝統では、ノードは龍や蛇と関連づけられています。
月が地球の北極に向かう黄道を横切るノードは、ノース・ノード、またはアセンディング・ノードと呼ばれます。伝統的には、ドラゴンヘッド、またはラーフと言われています。月が黄道を南極に向かって横切るもう一つのノードは、サウス・ノード、またはディセンディング・ノードと呼ばれます。伝統的には、ドラゴンテイル、そしてケトゥと言われています。
占星術でのルナ・ノードの役割
さて、ここで占星術における月のノードの役割に注目してみましょう。先にも述べたように、ルナ・ノードは、太陽と月の原理を結びつけ、つなげるものです。太陽は「神聖な輝き」を表し、人間の霊的な中心であり、何度も生まれ変わりながら、それぞれの人生で経験を積み重ねていくものだと考えることができます。一方、月は物質的な肉体と関連しており、地球の形あるもので作られます。それは、太陽の輝きのため、それぞれの人生での一時的な宿というか乗り物として機能しています。このように、ルナ・ノードは転生の連鎖を表し、占星術では「カルマ」の要因とみなされ、過去や未来の人生に関する判断に使われることがあるのは、ごく自然なことなのです。
「カルマ」的なアプローチも有効ではありますが、前世ではなく現世、今どうなのかに関心を持つ方が自然ですよね。一つの人生の中で、太陽と月のどちらも非常に重要な占星術的要素となります。人は、愛や幸せとは何かを理解するため、本当の自分を見つけるために生まれてくるかもしれません。ですから、わたしたちの人生の目的は、自分自身の太陽を見つけることだと言えるでしょう。この目的は必ず達成するとは限りませんが、それでも太陽は人生を照らし、意味と目的を与えてくれるでしょう。
一方、月は一生の中で、その人の存在に与えられたものをすべて表しています。月は魂が宿す肉体であり、子供を産み育てた母親であり、敵対する外界との間で防壁となりうる家族でもあります。もっと一般的に言えば、月は人間が今生きている状況や環境を象徴しているのです。つまり、人が「太陽」の目的を達成するためには、「月」の状況を管理し、それを制することでしか達成できない、ということです。
ネイタル・チャートでのルナ・ノード
では、月のノードの役割は何なのでしょうか?太陽と月の原理を、現在の生活の中でどのように結びつけているのでしょうか。それは「ルナ・ノードは道を示している」ということです。ルナ・ノードが示す、その道筋をたどることで、わたしたちは月の状況を理解し、太陽の目指す世界へと近づいていくのです。つまり、ルナ・ノードを軸とした占星術のチャート(ホロスコープ)は、人生の川に例えることができるのです。
川の流れは、サウス(ディセンディング)ノードからノース(アセンディング)ノードへ、ケトゥからラーフへ向かっています。つまり、ノース・ノードが人生の目的を達成する方向に導いているのですが、これは、いつか達成できるような目的とは言い難いのです。
ノース・ノードに向かって進めば進むほど、人生の川が次に曲がるときには、新らしい、もっとエキサイティングな展望を見ることができる可能性が高くなります。これに対して、サウス・ノードは、すでに旅してきた人生の川の道です。この道は、わたしたちがノース・ノードに向かって移動した結果、増加し、成長します。過去の道は、慣れ親しんだものであり、必ずしも楽しいものではなくても、多かれ少なかれ消化してきました。サウス・ノードに関連する過去の経験は、先に進むための基礎となりますが、同時に重荷にもなり得ます。
ネイタル・チャート(出生ホロスコープ)における月のノードの位置は、どのように解釈すればよいのでしょうか。占星術師フランセス・サコイアンの本によると、ノース・ノードのキーワードは「共同の流れに含まれる」、サウス・ノードのキーワードは「共同の流れから除外する」です。
この「共同の流れ」、つまり「人生の川」は、現実には、その人が関わる集団や社会など、人生の状況によって作られた何らかの方向性によって表されています。ある人はゆったりとした気持ちで流れに身を任せ、ある人は次々と流れに飛び込み、あるいは流れに逆らおうとするかもしれません。このような人間の生き方の習性はすべて、出生時のチャート、ホロスコープでのルナ・ノードによって示されているのです。
ノース・ノードは目的であり、わたしたちの人生の目的は通常、集団的な性質を持っています。世界中で、新しい車や家を買うという目的を持っている人がどれだけいるか、想像してみてください。大統領になりたいという人も、何人もいるはずです。なので、統合の要素であるノース・ノードは、「共同の流れに含まれる」といわれるのです。
逆に、積み重ねられた経験により人が別個になるのは、それが誰にとっても唯一無二のものだからです。過去の経験が同じ、あるいは非常に似ている二人を見つけることはほとんど不可能です。わたしたちは皆、まったく異なっており、これはまさにサウスノードが言うように、崩壊の要因なのです。
ルナ・ノードの解釈
サウス・ノードの分離、隔離という性質は、占星術において、はっきりと見ることができます。サウス・ノードはノース・ノードよりもずっと簡単にとらえることができます。なぜなら、サウス・ノードとは、積み重ねられた人生経験であり、わたしたちと他の人々を分け隔てているものです。これらの経験には通常、成し遂げた素晴らしいものだけでなく問題も含まれています。その問題の本質は、しばしば「何かが間違っている」「何かが普通と違う」「何かが他の人々と違う」という言葉で表現されるのです。具体的に何が問題なのかを理解するためには、ネイタル・チャート(出生ホロスコープ)で月のノードの位置を調べる必要があります。
マイケル・マンカシーが提案したルナ・ノードを表すキーワードには、トンネルやチューブのようなものがたくさん並んでいます。確かに、ルナ・ノードの象徴はチューブによく似ています。チューブは周囲の環境(サウス・ノード)から分け、流れ(ノース・ノード)を作り出すからです。あるいは、チューブではなく、蛇や龍のようなものでしょうか。また、臨死体験をした人の多くが、暗いトンネルを旅したことを記憶しているのも興味深いことです。それは、ルナ・ノードの原理を実際に知覚したのかも?
サウスノードはノースノードと切っても切れない関係にあり、互いに補完し合っています。ネイタル・チャートでは、サウスノードを基点にノースノードを指す軌道、つまり進路が描かれます。このようにノードは、生来の個々が進化していく軌道を描き、集団の目的を自分の経験に変換するために、どの道を選択するべきか示しているのです。それは現在の状況から、徐々に自分が存在する目的に近づくための道でもあります。しかし、この軌道の示すところをどう理解すればよいのでしょうか。
ルナ・ノードの解釈のポイントは、「ノース・ノードが指しているところに行けば、サウス・ノードの問題は自ずと解決する」ということです。
もしサウス・ノードの問題に集中することになれば、問題を悪化させるだけでしょう。人生の川のイメージを思い出してください。どこかにある未知のゴールに向かって流れに身を任せ進むのではなく、すでに慣れ親しんだ土地に戻ることもできるでしょう。川の流れに逆らうことになるので、自分に何か抵抗や障害を感じるでしょう。ノースノードの課題に直面しても、それに向かって進むことはないでしょう。同時に、進化の経験、つまり川に沿って旅した道のりが進まなくなるのですから、南のノードの問題は行き詰まることになります。
続きはまた次回…