前回は、西洋占星術で使われる4つのエレメントというのを詳しく取り上げました。
今回は、もう一つのサインの分類方法であるクオリティについてみていきます。
どんな意味があって、どう使っていったらいいのでしょうか?
クオリティとは?
サインのそれぞれの気質を3つのグループに分けたものを、クオリティといいます。モダリティやモードとも呼ばれます。
その3つのグループとは
- カーディナル Cardinal 【活動】
- フィックスド Fixed【不動】
- ミューテーブル Mutable 【柔軟】
クオリティは、サインと外界との相互作用を意味し、あなたが環境にどのように対処するかを示す良い指標となります。
カーディナル Cardinal:活動
カーディナル Cardinal 活動のサイン
- かに座
- おひつじ座
- てんびん座
- やぎ座
カーディナルのサインは、強い初期衝動があるのが特徴です。つまり、これらのサインは、何かをしようと決めたとき、多くのエナジーを注ぎますが、それは短期間です。時間が経つにつれて、そのエナジーはどんどん減少します。
このグループの人は、群衆の一歩先を行くことを好み、物事を始めるのがとても上手で、勇気と自信を持っています。ところが、始めたばかりのことでも興味を失うのも早く、まるでその取り組みが存在しなかったかのように、また、次に新しいことを始めます。
自分では毎回、新しく始めたことが最優先であり、それはずっと続くと信じていますが、他の人から見ると、とても変わりやすい人に見えたりします。
強いカーディナルの人は、始めたけれども完了しなかったことをたくさん経験しているでしょう。幸いなことに、ほとんどの場合、カーディナルだけでなく他の何かと組み合わされている人が多いものです。
カーディナルがない人は、最初の一歩を踏み出すことができなかったり、始めることに躊躇して、他の人がリードしてくれるのを待っているのが特徴です。
フィックスド Fixed:不動
フィックスド Fixed 不動のサイン
- しし座
- おうし座
- みずがめ座
- さそり座
フィックスドのサインは、仕事をしていれば仕事を続け、リラックスしていればリラックスを続けるというように、何があっても今の状態を維持することを好むのです。よく頑固と言われるかもしれませんが、単に変化を避けようとするだけです。
個人的なことに集中することで喜びを感じ、外部から自分の人生を変えようとする試みに抵抗します。過去に固執する傾向があり、それが最大の弱点ですが、安定性には長けています。
このクオリティを、ある程度の割合で持っていることが非常に重要であり、望ましいものです。なぜなら、粘り強さがなければ、物事は完成しないからです。
ですが、フィックスドが過剰に存在すると、その人は何も始めることができず、完成させることもできないので、その粘り強さも実を結ぶことができません。
フィックスドがない人は、気まぐれで、信頼できず、不安定で、何事にも長く集中できず成果をあげることができないでしょう。
ミューテーブル Mutable:柔軟
ミューテーブル Mutable 柔軟のサイン
- おとめ座
- ふたご座
- いて座
- うお座
ミューテーブルのサインは、変幻自在で適応力が高く、周囲の状況に対してオープンであることが特徴です。
カーディナル・サインは内的衝動に動かされ、フィックス・サインはほとんど動かず、ミューテーブルは非常に敏感で、周囲の変化に気づき、それに対応していきます。
一見変わりやすいように見えるものの、自分では一途だと信じているカーディナルとは異なり、ミューテーブルは本当に変わりやすく、同時にいくつものことを楽しんで行うことができるのです。
また、動き回ることを好み、人生に十分な変化がないと、すぐに飽きてしまうこともあるでしょう。
このクオリティは、周りの環境の影響を最も受けやすいグループです。手放すのは簡単ですが、自分の不安定さを固定するための安全性を求める傾向があります。
ミューテーブルを持たない人は、周りから孤立してしまい、役に立たない存在になってしまいます。いつ何をを始めればいいのか、それが必要なのか、また、いつ完成させればいいのかがわからないのです。
クオリティの使い方
個人のチャートを分析するとき、クオリティとエレメントを合わせて使うことができます。
ネイタルチャートでは、サン・サインだけを考えるのではなく、太陽、月、アセンダント、水星、金星、火星、木星、土星、天王星、海王星、冥王星などの主要なプラネットとエレメントとクオリティのポイントを数えます。
男性 | 男性 | 女性 | 女性 | |
ファイヤー | エアー | アース | ウォーター | |
カーディナル | おひつじ座 | てんびん座 | やぎ座 | かに座 |
フィックスド | しし座 | みずがめ座 | おうし座 | さそり座 |
ミューテーブル | いて座 | ふたご座 | おとめ座 | うお座 |
カウントすることで、その人のチャートにおいて、どのエレメントとクオリティが強いか、あるいは弱いかを知ることができるのです。
カウントの方法は エレメント のページで説明していますので、そちらをご覧ください。
グランド・クロス(グランド・スクエア)
チャートで、4つのプラネットが、ぞれぞれ90度離れて配置されている場合、つまりスクエアのアスペクトをそれぞれが形成している場合を、グランド・クロスといいます。
カーディナル・グランド・クロス
すべてを同時に達成しようとするため、目標達成には特に困難が伴うと言われています。
上のチャートは、ハリウッド男優のマイケル・B・ジョーダンのネイタルです。赤のスクエアが、MC, ASS, ジュピター、ウラヌスで形成されているのがわかりますね。このような方には、一般的に言われる、目標達成が困難というのが当てはまるか疑問ですね。やはりジュピターが入っているからでしょうか?
フィックスド・グランド・クロス
自分の才能をどこに向ければよいかわからないため、同じところに留まりがちです。
このフィックスド・グランド・クロスのアスペクトは、ジェシカ・アルバのネイタルチャートです。マイケル B と同じく、グランド・トラインも持っていますね。
ミューテーブル・グランド・クロス
コミュニケーションにおける維持ということに関して、特に難しいと言われています。
こちらのチャートは、ボリウッド男優のアーミル・カーンのネイタル・チャートです。MC、ノースノード、カイロン、プルトー、マーズ、ヴィーナスという6つで形成されているミューテーブルのグランド・クロスです。
努力すれば成功できる
難しいとされているスクエアのアスペクトをいくつも持っている場合、その分、障害を乗り越える努力を怠らずにいれば、目覚ましい成長と自己実現を遂げることができると言われています。
ここで例を挙げた3人はまさに、そのようにして乗り越えたからこそ、成功しているのでしょう。
クオリティとエレメントだけでも、その人の本質が見えてきて面白いですね。
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