アル=カーリア(アラビア語: القارعة, al-Qāriʻah, “The Calamity” 「災難」別名: The Striking)は、コーランの第101章であり、11の節から成る。この章名は、第1節にある単語 “qariah “に由来し、クルアーンにおける終末の時、終末論に言及している。”qariah “は、災難、打撃、大惨事、混乱とも訳されている。アル・カリーアとは、アル・ハーッカ、アット・タンマ、アス・サクハなどと同じく、審判の日の名称の一つであると言われている。
القارعة【アラビア語】
恐れ戦く (叩く音) アル=カーリア【日本語訳】
慈悲あまねく、慈悲深いアッラーの御名において。
1 どんどんと叩く音。 2 しかし、どんどんと叩く音とは何か。 3 叩く音とは何であるかを、あなたに分からせるのは何か。 4 その日、人々は散らされた蛾のようになり、 5 山々は、羊毛のひとひらのようになる。 6 自分の秤が重い者は、 7 満ち足りた生に入る。 8 自分の秤が軽い者は、 9 奈落がその里となる。 10 それが何であるかを、あなたに分からせるものは何か。 11 それは灼熱の業火。
恐れ戦く (叩く音) アル=カーリアについての解説
この世の終わりの混乱はすべてを打ち砕くだろう。人々は完全に方向性を失うだろう。その後、真実だけが重みを持つ新しい世界が誕生する。すべての虚偽は無に帰する。現在の世界では、人々の承認が優先される。ここでは、人々の好き嫌いによって物事が左右される。来世は神の世界であり、そこではすべてが神の意志に従属する。
現世では、行いはその外見によって判断される。来世では、行いはその内面によって判断される。その行いが誠実であればあるほど、より重要視される。誠意のない行いは、たとえそれが現世の表面的な人々にとって重要なものに見えたとしても、来世ではまったく重みを持たない。
この章の主な教訓は、善い行いに励まなければならない。神を信じなければならない。
イスラームが到来する以前、マッカの人々は素行が悪く、あらゆる悪事を働いた。天国も地獄もないと考えていたからだ。正義もなかった。アッラーは、地上の最後の日と審判の日について警告するために、預言者ムハンマドを遣わされた。
地球の最後の日には、すべてが破壊される。人々は蛾や虫のように飛び回り、山々でさえも破壊され、柔らかい綿や羊毛のように飛び回るだろう。人間も生きていない。それはこの地球での人類の終わりとなる。
そして次に審判の日が来る。何十億、何百億という人々が、善行も悪行もチェックされる。この世で良いことをたくさんすれば、天国へ送られる。そこで限りなく幸せな人生を送ることができる。
この世で様々な悪いことをしてアッラーに従わなかった者は、深い穴に投げ込まれる。そこは地獄であって、非常に熱く、火はすべてを焼き尽くし、悪人に極刑を与える。そこが彼らの永住の地となる。
私たちは誰もが死ぬ。この世界もいつか滅びる。しかしそれは私たちの人生の終わりではない。アッラーは、審判の日に私たちに永遠の命を授けてくださる。私たちは死なない。審判の日の後も、私たちの人生は終わらない。無限に続く。審判の日には、私たちのすべての行動がチェックされる。
唯一の神アッラーを信じ、従い、善行を積めば、その報いは天国である。そうでなければ、すべての悪人は地獄で罰せられる。
THE SHOCKER (al-Qari’ah) 【英語訳】
In the name of God the Gracious, the Merciful.
1 The Shocker. 2 What is the Shocker? 3 What will explain to you what the Shocker is? 4 The Day when the people will be like scattered moths. 5 And the mountains will be like tufted wool. 6 As for he whose scales are heavy. 7 He will be in a pleasant life. 8 But as for he whose scales are light. 9 His home is the Abyss. 10 Do you know what it is? 11 A Raging Fire.
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